世界で、唯一と言ってもいいぐらい、伸びているゲーム市場、『中国』。
2019年、中国に向けて自社でゲームを発売するよりは、中国の企業にライセンスアウトをしたほうが良い、と言う流れが勝ったような気がします。中国でゲームを発売することにあたり、必要なゲーム配信許認可『版号』の審査基準は複雑(不透明?)すぎるあまり、このように考えるゲーム会社は多いではないでしょうか。
しかし、今のこのような難しい状況下でも中国と言う市場に諦める必要はないと、考えています。
まずは、『中国でゲームを発売する』ことと、『中国人向けにゲームを発売する』ことを、分けて考える必要があります。なぜならば、時には中国でゲームをリリースしなくても、中国の方にご購入いただくことは可能だからです。例えば、Steamでゲームを発売するとなると、十分に中国のゲーマーにゲームを届けることは可能です。
このように、SteamやWegameのようなプラットフォームを通じて中国のファンに向けて丁寧にゲームを配信すれば、中国展開は十分だと考えられます(これについては、今後別途、詳細な記事を公開して行きますが、まずはゲームを中国語にきちんとローカライズをすれば、十分です)。
中国への展開は、2020年〜2021年いっぱいは、時事問題になると予想されます。2019年12月10日、中国でNintendo Switchの販売が開始され、今や中国のゲーム市場は約5兆円となり、任天堂もその市場に向けての3度目の挑戦だそうです。
弊社は長年、日本にゲームを展開したい海外の開発会社に向けて、ゲームのローカライズや宣伝のお手伝いをしてきましたが、2019年に初めて、日本展開よりは中国展開に関するご相談が多かったです。世界的な流れであります。
世界のゲーム会社が中国市場をめざし海外展開を行ってくれるのは、ローカライズの機会が増えるので、弊社としてはとてもありがたいことです。しかし、日本のゲーム界は、まだまだアメリカや欧州に先に目が向いたり、中国展開において消極的であると感じます。
日本経済新聞でも、「任天堂、中国でスイッチ12月10日発売 成長市場3つの壁」という記事の中で、今回の任天堂の挑戦は簡単なものではないといった内容で掲載されていますが、ではそもそも中国での展開、リリースはなぜ難しのでしょうか?
(参考:日本経済新聞)
中国でゲームをリリースするには、パブリッシングライセンス、ゲーム配信許認可、いわゆる『版号』というものが必要になってきます。この版号を取得するための申請は、中国国内で登録した出版資格を持つ法人でなければいけません。海外の一般企業・個人が中国の出版資格を取得するのは極めて困難で、中国のパブリッシャーを頼らず自力でゲームを中国で販売することは実質『不可能』といえます。ゲームのレーティングに関しても、日本や海外各国のような民間レーティング組織ではなく、行政機関「国家新聞出版広電総局」が行っていて、NGなこともよくこの機関によって変更されるので、常に最新の情報を取得する必要があります。(中国のレーティング審査については、また別の機会にお話させていただきます)。
また、審査に関しても、すでに再開されましたが、一時期は審査が止まり、審査待ちのタイトルが6,000以上もあるといわれてました。そういった意味で、いろいろと予期せぬことがおこるのも考えておかなければなりません。
そんな中、弊社は自社タイトルを中国のファンに向けて積極的に配信していますし、欧州のゲーム会社にSteamを通していろいろなゲームの中国展開においてお手伝いをさせていただき、パブリッシングも成功させてきました。成功······とは曖昧な表現ですが、残念ながらお客様のタイトルの発売本数はこちらで公表するわけにもいかず······しかし、日本で到達できないような本数に、中国ならまだまだ手がとどく! というのは全く過言ではないことは確かです。
弊社では、上海に中国人スタッフを常駐させ、中国のゲーム会社による日本展開、世界のゲーム会社の中国展開だけではなく、定期的に変更する中国のルールといった情報の収集にも力をいれております。
2020年、中国でのビジネス展開をお考えの会社様は、まぁご連絡ください!
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